計算手続きの基本的な考え方は熱方程式の場合と同様です。
「空間変数」 については、区間 を 等分します:
方程式 (1.1) に現れる二つの微分、 に関する二階偏微分 と に 関する二階偏微分 の双方を、 ともに「階中心差分商」で近似すると次の近似方程式が得られます:
一方 (1.2) からは、ごく自然に
数列 に関する 方程式 (1.6), (1.7), (1.8), (2.5) は 二つの添字 , を含んでいますが、 (1.6) を漸化式として、 時刻に関する方の添字 の小さい方から順に計算していくことが出来ます。 熱方程式の場合は、二番目の添字のところには、 , しか現れませんでしたが、 (1.6) では , , と 3 つのものが現れています。 での値を求めるために、一段前の での値のみならず、 もう一段前の での値が必要になっているわけです。 このことは、 もとの方程式が時刻 に関して 階であることに対応しています。 そのため計算を出発させるためには、 での値だけでなく、 での値も必要になりますが、 それは時刻に関する 階の微分を指定している 初期条件 (1.3) に 由来する (1.8) で与えられています。
熱方程式の場合と同様に、, と性質の異なる刻み幅が 2 つあり
ます。前回と同様に、安定に計算するためには両者を全く勝手なやり方で 0
に持っていくだけでは不十分です。どうすればいいか、とりあえず結論だけ述
べておくと「 を
と選んで固定したまま、 ,
」で OK です。