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, という 2 つの独立変数についての関数 についての方
程式
(1.1) |
|
は 次元波動方程式 (wave equation) と呼ばれます1.1(ここで は与えられた正の定数です)。それは、この方程式が,一様な
弦の振動や,細い管の中の空気の振動などの、一次元的な振動・波動現象を表
わすものであると解釈出来るからです。弦の振動の場合は は時刻
における、弦上の点 の釣り合いの位置からの変位を表わすものと考
えます。
実は定数 は波の伝播の速さになりますが、以下では時刻の単位を適当
に取り替える(数学的には を新たに とする変数変換を行う)こと
によって であるとして扱います1.2。同時に
空間方向についても同様の変数変換を施すことによって , と仮定
することも出来ます。
この方程式は、時刻 での各部分の変位と「速度」を指定することに
相当する初期条件
(1.2) |
|
(1.3) |
|
と、各時刻での弦の両端の状態を指定する境界条件を課すことにより、解
が決定される問題となります。
境界条件としては、
両端が固定されていて (管の中の空気の振動の場合では「端が閉じられていて」)
変位が常に 0 であるという
(1.4) |
|
あるいは、両端で自由に動ける (管の中の空気の振動の場合では「端が開放さ
れている」) という
(1.5) |
|
を考えることにしましょう。
熱伝導方程式の場合と同様に、
(2.3.1) を Dirichlet 境界条件、
(2.25) を Neumann 境界条件と呼びます。
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Masashi Katsurada
平成14年11月29日