Banach 空間の場合には、 (3.3), (3.4) のような直和の形での結果を望むのは難しそうな雰囲気で ある (詳しくないので「無理」と言い切れないが多分駄目でしょう)。 用いるのは「直交関係」である。
稠密な定義域を持つ線型作用素について成り立つ
と、 稠密な定義域を持つ線型作用素で、 値を回帰的な Banach 空間に取るものについて成り立つ
を基礎とする。
例えば、 任意の に対して が可解である ( が全射である) ためには、 閉値域作用素であって、 かつ の核が 0 であれば良いことはすぐわかるが、 そのための必要十分条件として、
というもの (アプリオリ評価不等式) がある (定理 3.3.4)。
桂田 祐史