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6.5.0.1 任意の $ x$ に対して $ {\cal K}_n(A,x)\subsetneq \R^n$ となる場合

$ A$ の最小多項式 $ \varphi(x)=x^r+\cdots$ の次数 $ r$ $ n$ より小さい場合は、

$\displaystyle A^r=\sum_{j=1}^{r}c_j A^{j-1}
$

をみたす $ \{c_j\}$ が存在する。すると任意の $ x\in\R^n$ に対して

$\displaystyle A^r x=\sum_{j=1}^r c_j A^{j-1} x\in {\cal K}_r(A,x).
$

したがって $ {\cal K}_{r+1}(A,x)={\cal K}_r(A,x)$ . ゆえに $ \dim{\cal K}_n(A,x)\le r<n$ となる。 従って $ {\cal K}_n(A,x)=\R^n$ をみたす $ x$ は存在しない。


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桂田 祐史
2015-12-22