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4.1.0.1 符号の変化数

$ \{p_i(\lambda)\}_{i=0}^N$ を Strum 列とするとき、 $ p_N(x)\ne 0$ なる $ x$ に対して

$\displaystyle N(x)\Def$$\displaystyle \mbox{\lq\lq $\{p_0(x), p_1(x), \cdots, p_N(x)\}$'' の
\textbf{符号の変化数}}$

とおく。例えば

$\displaystyle \begin{array}{c\vert c\vert c\vert c\vert c\vert c\vert c\vert c\...
...p_7(x)&
p_8(x)&p_9(x)&p_{10}(x) \\
\hline
+&-&-&-&0&+&+&+&+&-&-
\end{array}$

では $ N(x)=3$ .

この符号の変化数は (特別な注意をせずに) 数値的に安定して計算できる。つ まり絶対値が非常に小さくて、符号の判別がつきにくい場合も、「符号の変化数」 そのものは疑いがなく計算できる。例えば

$ p_{k-1}(x)$ $ p_{k}(x)$ $ p_{k+1}(x)$
$ +$ 絶対値小 $ -$
    または     
$ p_{k-1}(x)$ $ p_{k}(x)$ $ p_{k+1}(x)$
$ -$ 絶対値小 $ +$
において $ p_{k}(x)$ が正であっても負であっても 0 であっても符号の変化 数の計算にとっては影響がない。注意すべきは Strum 列の条件 (iv) から
$ p_{k-1}(x)$ $ p_{k}(x)$ $ p_{k+1}(x)$
$ +$ 絶対値小 $ +$
    または     
$ p_{k-1}(x)$ $ p_{k}(x)$ $ p_{k+1}(x)$
$ -$ 絶対値小 $ -$
のような場合 (もしこうなったら符号の変化数の計算がむつかしい) が起こり得 ないことである。

Strum の定理によって、 $ p_N(a) p_N(b)\ne 0$ なる $ [a,b]$ におい て、$ [a,b]$ 内の零点の個数は $ N(a)-N(b)$ であることが分かる。


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桂田 祐史
2015-12-22