に対して、
を満たす が存在するとき、 を の固有値 (eigenvalue) と呼び、 を に属する固有ベクトル (eigenvector) と呼ぶ。
が の固有値であることと、
が でないことは同値である。
が の固有値であるとき、 を 固有空間 (eigenspace) と呼ぶ。
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の固有多項式に重根がないときはちょうど 個 (相異なる) 固有値が 存在することになるが、重根がある場合はその重複度分だけ同じものをならべて、 , , と書くことが多い。以下、 次正方行列 について、 の固有値は , , である、と言ったときはそういう意味である。 例えば、 「対角行列 の固有値は対角成分 , , である。」…このことの証明は の固有多項式についての等式
による。ちなみにこの事実は三角行列に対して一般化できる。 すなわち「 が上三角行列または下三角行列とするとき、 の固有値は対角成分 , , である」。
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この命題の状況のように、 の固有値 , , に属する 固有ベクトル , , が全空間の基底となるとき、 とおくと、これは非特異で
このように適当な非特異行列 に対して、 が対角行列 になるとき、 は対角化可能という。 このとき、 は の固有値で、 は に属する固有ベクトル、 , , は全空間の基底となる。
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を の固有値とするとき、 は の固有値であるが、 その固有ベクトル は
を満たすので、
を満たす。 , を満たす のことを 固有値 に属する行固有ベクトルとよぶ。
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