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を実正則行列とするとき、
実直交行列
と、上三角行列
で
を満たすものが存在する。特に
の対角成分は正であるように取ることができ、
そういうものに限ると分解は一意的である。
これを
の QR 分解と呼ぶ9。
とするとき、
,
,
から、
Gram-Schmidt の直交化を行って正規直交基底
,
,
を作る
計算は、
の QR 分解を求めていることになる。
しかし QR 分解を求める場合、
この素朴な Gram-Schmidt の直交化法を
適用することはない10。
LU 分解と同様に QR 分解があれば連立1次方程式は簡単に解ける。
例えば
を解きたいときに、
という QR 分解が得られたとしよ
う。
であるから、
の計算は簡単である (つまり、
実直交行列の逆行列はもとの行列の転置行列に他ならないから、
計算するまでもなく分かっているわけ)。
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Masashi Katsurada
平成20年10月18日