1.5 非正規化数

$e=0$ の場合は、

\begin{displaymath}
y=(-1)^{b_0} 2^{-1023}\sum_{i=12}^{63}\frac{b_i}{2^{i-12}}
\end{displaymath}

という数を表わすと約束する。 ぼうっと見ていると、正規化数の場合の式と同じように思えるかもしれないが、 ケチ表現を使っていない ($1+$ がない)ことに注意が必要である。

$0$ でない数のうちで、絶対値が最小の数は

\begin{displaymath}
b_i=0\quad\mbox{($i=12,13,\cdots,62$)},\quad b_{63}=1
\end{displaymath}

の場合で、

\begin{displaymath}
y=\pm 2^{-1023}\times\frac{1}{2^{63-12}}=\pm 2^{-1023}\cdot...
...\pm 2^{-1074}
\kinji \pm 4.94065645841246544\times 10^{-324}.
\end{displaymath}

絶対値が最大の数は

\begin{displaymath}
b_i=1\quad\mbox{($i=12,13,\cdots,63$)}
\end{displaymath}

の場合で、

\begin{displaymath}
y=\pm 2^{-1023}\sum_{i=12}^{63}\frac{1}{2^{i-12}}
=\pm 2^{...
...-(1/2)^{52}}{1-(1/2)}
=\pm 2^{-1022}\left(1-(1/2)^{52}\right)
\end{displaymath}

である。これはもちろん、正規化数のうちで絶対値が最小の数に近い (ほんの少 し小さい) -- そうなるように設計しているわけだから。

桂田 祐史
2019-01-20