の解空間は 次元の線型空間であるという定理を学んだかもしれないが、 そこでは係数 , は普通の意味で素直な関数となっていたと思われる。 我々が扱っている Bessel の微分方程式は 0 が係数の特異点になっているので、 上の定理をそのまま使って一丁あがり、というわけにはいかない。 きちんと議論するには、 まず特異点 0 を除いた区間 ( ) に制限して考える。 ここでは上の定理が使えて解空間は 次元の線型空間であり、 関数の組 が存在して、 任意の解 に対して、 , が一意的に存在して
さて、こうして拡張した , は微分方程式の解になる (一致の定理による)。 微分方程式は線形同次であるから、 その線型結合 もやはり微分方程式の解になる。
逆に で微分方程式をみたす があったとき、 それを に制限すると、 すでに述べたことから、適当な , が存在して (4) が成り立つ。 ここで関数関係の延長原理 (これも一致の定理による) を用いると、 全体で (4) が成り立つことが分かる。
桂田 祐史