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常微分方程式の講義で、
2階の線型常微分方程式
の解空間は
次元の線型空間であるという定理を学んだかもしれないが、
そこでは係数
,
は普通の意味で素直な関数となっていたと思われる。
我々が扱っている Bessel の微分方程式は 0 が係数の特異点になっているので、
上の定理をそのまま使って一丁あがり、というわけにはいかない。
きちんと議論するには、
まず特異点 0 を除いた区間
(
) に制限して考える。
ここでは上の定理が使えて解空間は
次元の線型空間であり、
関数の組
が存在して、
任意の解
に対して、
,
が一意的に存在して
(4) |
![$\displaystyle y=C_1\varphi_1+C_2\varphi_2$](img52.png) |
が成り立つ。
,
は
まで正則に拡張できる。
これも証明を要することではあるが、
それほど難しいことではない
(線形だから解は定義域の端まで延長できる) し、
我々の場合の
,
はそのことを
直接確認することもできるので、省略する。
さて、こうして拡張した
,
は微分方程式の解になる
(一致の定理による)。
微分方程式は線形同次であるから、
その線型結合
もやはり微分方程式の解になる。
逆に
で微分方程式をみたす
があったとき、
それを
に制限すると、
すでに述べたことから、適当な
,
が存在して
(4) が成り立つ。
ここで関数関係の延長原理 (これも一致の定理による) を用いると、
全体で (4) が成り立つことが分かる。
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Masashi Katsurada
平成18年11月21日